事前に押さえておきたいインプラント治療の不適応なケース
抗がん剤を使用している
現在治療中で抗がん剤を使用している人は、インプラントの治療が不適応となるケースが少なくありません。インプラント治療では、顎の骨にフィクスチャーと呼ばれるチタン製のネジを埋め込みますが、手術後に通常の抜歯などと同様に痛みや腫れなどの症状が現れます。
また、手術中血管や神経を傷つけた場合など、術後の後遺症が残る可能性も否定できません。そのため、一般的な外科処置が不可能な人は、インプラントの治療ができない場合があります。
放射線療法を受けている
放射線療法などを受けている人は、インプラント治療だけでなく外科処置はすべて厳禁です。特に顎骨に放射線を受けている場合は、インプラント治療により顎骨骨髄炎を起こす可能性があり危険です。
また、放射線治療後には唾液の分泌量が少なくなってしまうことがあります。唾液の分泌が少なくなると、虫歯や歯周病がおこりやすくなってしまうことから口腔内の健康管理が難しく、インプラントの治療が困難になるため避けるべきでしょう。
免疫不全症になっている方
免疫不全症になっている人はインプラント治療を受けることができません。免疫不全とは、マクロファージやT細胞、B細胞などの免疫を司るいずれかの機能が働いていなかったり、機能が低下したりしている状態です。
免疫不全症になっている人は、インプラント体が骨と結合できないという不具合が起こる可能性が高くなります。免疫疾患であるリウマチ、天疱瘡、膠原病などにかかっている人が服用しているステロイド薬が影響しているためです。